遺産相続、家系図、愛知県、アスリート行政書士法人

相続法の改正について「配偶者の居住権の保護①」

相談者である甲さんの夫(Xさん)が死亡した案件。
甲さんが、それまで居住してきた建物に引き続き居住することを希望することを当然と言えるでしょう。
特に、残された甲さんが高齢者(75歳)である場合、甲さんの居住権を保護する必要性は高いものと考えられます。判例(最高裁平成8年12月17日)では、共同相続人の一人が被相続人の許諾を得て遺産である建物に同居していたときは、特段の事情のない限り、被相続人と当該相続人との間で、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認されます。この要件に該当すれば、相続人である配偶者は、遺産分割が終了するまでの間、短期的にも居住権が確保されるというわけです。

 しかし、被相続人Xさんが、使用貸借させない意思を明確に表示していた場合等には、上記判例にかかわらず、配偶者甲さんの居住権は短期的にも保護されないことになります。 短期的とは言いましたが、通常は甲さんが遺産分割協議後も長期間にわたり建物で生活を継続することを希望することは相続に難くありません。 配偶者甲さんが、そのような希望をする場合、 ①遺産分割において配偶者(甲さん)が、その建物の所有権を取得する ②建物の所有権を取得した他の相続人との間で賃貸借契約等を締結することが、現行法に則れば考えることができます。

 しかし、①の場合には、居住建物の評価額が高額となり、その結果配偶者がそれ以外の遺産(例えば金銭)を取得することができなくなって、その後の生活費の支出に支障を来す場合も生じ得ます。また、②の場合には、その建物の所有権を取得する者との間で賃貸借契約等が成立できなければ、居住権は確保されないことになります。 (続く) 

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